転職しました

Q. どうして転職したんですか?
A. 藤田ことねは、お金のことが大、大、大好きだからですよ〜〜〜!

 転職しました。転職することでお給料も増えることだしな……みたいなことを思ってちょっとしたお買い物や学園アイドルマスター(固有名詞)に躊躇をなくしていたところ、実はかなりピンチらしい。そうなんだ。将来的に手元にお金が来る安心感からの散財で経済を回す、そうした失われた日本経済の美しい姿を私だけで再現したところで私だけが破滅するらしい。そうなんだ。
 実際転職で多少お給料も増える予定なんですけど、元々バイトみたいな給料だったのがちょっと上向く程度でそこまでどかっと増えるものでもないようで、う〜ん、まあなんとかなるんじゃないですかね(CV.久川凪)という感じです。なんとかなるならいいか〜。

 ところで私はいわゆるIT系の会社に2年くらい勤めて辞めた形になる。早い方か遅い方かというと割と一般論として優秀な人間が多く辞めるのが3年目らしいので、私が優秀だとすれば早くも遅くもないということになる。
 辞める理由としては一番には残業の多さに対して本当に給料が低くて、こんなんじゃろくに実家に仕送りもできないよ〜トホホ〜みたいな理由がひとつ。それを後押しするような理由としては、かなり理不尽と言っていい理由で査定評価が低かった、みたいなのもひとつ。私は大学を出て労働を始めてちょっとしたあたりで過眠症の診断が下っていて、その診断のための検査やら対症療法やらにまあ安いとは言えない額をかけてるんだけど、その経緯等も報告してるのにもかかわらず「診断が下りて治療を始める前の時期(主に研修期間)に居眠りが多かった」を主な理由として給料に直結する査定で低評価をつけられると、マジでなんのために病院に通ってると思ってるんですか??? という気持ちになってしまうので、なってしまいました。とくに、現場の上司からの評価は「滅多につけないけど文句無しでA」と伝えられていたところ、「マネージャー層全員で揉んだらCになりました!w」みたいなことを言われたので、それ全然人間不信になりますよ……という感じになった。その査定から半年くらいは何もしてなかったんだけど、友人とふるさと納税の話をしてたら自然と収入の話になり、額を聞いて唖然とされて早急に転職した方がいいと言われたので確かに今かなと思い、しました。
 まあ細々とした労基違反とかどっちかっていうと告発したら民事じゃなくて刑事になるんじゃない? みたいな話もあるんだけど、ここではしません。
 取引先で一番お世話になった、私の2年間の仕事をプロジェクトで一番見ていたといって過言ではないめちゃめちゃ優秀な社員の方と一対一でお話しする機会があったので「実は辞める理由のひとつに査定がめちゃめちゃ低かったっていうのがあって……」という上の話を(こっそり)したら唖然とされて、「控えめに言っても炎上案件のプロジェクトでエースの働きぶりだったじゃないですか! 全然めちゃめちゃ評価されてるのかと思ってました ちょっとマネジメント層が心配になりますね……」みたいに言ってもらえて、あ〜このひとと働けてよかった〜〜〜と思ったりしました。以前から私の担当業務領域の広さ(ふつう複数にわかれた技術領域のそれぞれひとつを担当するところ、プロジェクトで私だけ3つとか担当していた)を大谷翔平扱いしてくれていたので、この方への恩は計り知れないものがあります(私はまったく野球もテレビも見ないので大谷翔平がすごいらしいというのも伝聞情報でしかないのだけど……)。適切に評価して任せられるものを任せてもらえることで、できることや経験値が増えたりするものですからね。引き継ぎ資料2万字以上あるので楽しみにしててくださいと言ったらウケて、後日実際に共有したら本当に大ボリュームですねとウケたのでよかった。最終的には3万字以上になりました。

 転職先もIT系で、やることも大体同じようなことをやります。ポスト構造主義者がシステム屋さんをやらないで誰がやるんだよ。完全在宅勤務になったし前よりも裁量も増えたので、あらゆることを体系立てていかないといけないな~と思っています。ポスト構造主義者が無批判的に体系立てるとか言っていいんですか? すみません、構造と諸規則と分割作用と力、ゲームのルールとゲームのルールを統治するゲームそのものについて真剣に考えます。SaaS製品を使っていると「この地域でこのパッケージ製品を使ってるってことはあそこの会社さんの案件だろうな」みたいなのは同じ業界の人にはわかってしまうもので、実際転職先に最初に話を聞きにいったときにビタ当てされて笑ってしまったので、これも細かい話はしません。

 と、ここでいままで書いた文章を読んで「こんな資本主義や労働といったものに慣れきってしまったような文章、就活中の自分が見たら咽び泣きますよ……」と思ったので、調整のためそうではないという旨の文章を書いておこうと思います。
 私はなんだかんだいって仕事がけっこうできるほうだと思うけれど、「仕事ができる」ということも、労働そのものも、本当にどうでもいいと思っている。もちろん仕事は他のひと以上に丁寧に行うし、よりよく仕事がまわりそうなことは考えうる限り(また私のリソースが許す限りで)するけれど、それは定言命法にしたがった結果であって、仕事が好きだからでも、仕事で自己実現がしたいからでも、昇進してお金をたくさん稼ぎたいからでもない。仕事ができなくてもきれいな貝殻たくさん持ってるとか、本当にそういうことのほうが重要じゃないんですか? どうなんですか?
 ではなんのための仕事だといえばもちろん生活のためなんだけど、生活はなんのためかといえば、以前書いた通り私はなんかもう余生を生きているような気持ちで生きているので、これといった欲求、これがほしいとかこれを成し遂げたいみたいなものが本当にない。強いて言えば静かに楽しく暮らしたいという感じになる。いろいろ創作したりしながら。
 その意味でも今回の転職は成功だったと思っているので、これは素直によかったと思う。一般的に転職エントリといえば転職先でバリバリ頑張るぜやるぜ俺はやるぜという感じだという印象(偏見かもしれない)があるんだけれど、私としては、これから長い休日に入るような気持ちでいます。めいっぱい楽しもうと思います。休日は楽しむためにあるので。

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そのうちできるようにします。いまはできません。